近年、うつ病になる人がかなり増えています。
働き盛りの30代~50代に発症することが多く、いつ誰がうつ病になってもおかしくない世の中と言えるでしょう。
治療法は投薬やカウンセリングが一般的ですが、食事によっても症状を改善することができます。
うつ病は、環境的な要因や性格によるものも大きいので、一概には断言できませんが、食事と大きな関わりがあります。
うつ病に悩む人の95%が食事になんらかの問題があり、それを改善することでうつの症状が改善されるとも言われています。
甘いものばかり食べていたり、無理なダイエットによって栄養が不足するとうつの症状を引き起こしやすくなります。
うつ病は脳の中のセロトニンという神経伝達物質が不足することで引き起こされると言われています。
そのため、食事療法によるうつの治療は、セロトニンの材料となる栄養素を摂ることで症状の改善を目指す方法となります。
セロトニンの材料となるのはトリプトファンと呼ばれる物質で、納豆や豆腐などの大豆製品やバナナ、ナッツ類、卵、乳製品に多く含まれています。
これだけを食べれば症状が改善するというものではなく、その他の栄養素とバランスよく摂取することが大切です。
鉄分や亜鉛、ビタミンB群、たんぱく質が欠乏することもうつの症状と大きく関わるため、ビタミン、ミネラル、アミノ酸をバランスよく摂ることを意識した食生活を心がける必要があります。
また、低血糖症もうつ病と深くかかわる栄養の問題です。
低血糖症は血糖値が低くなって起こる病気だと思われがちですが、血糖値が低くなることだけが問題なのではなく、血糖値が上がったり下がったりを繰り返したり、インスリンの分泌が正常でなくなるなど、いろいろなパターンがあります。
低血糖症になると、一日を通して安定した血糖値を維持することができなくなり、そのことが体や心に大きな影響を及ぼします。
不眠や集中力の低下、疲労感、倦怠感、不安感などのうつの症状は、実は低血糖症が原因で起こる場合が多いと言われています。
低血糖症の改善のために必要なのは、甘いものや清涼飲料水、炭水化物などの糖質を控えることです。
食事の際に野菜から食べると、血糖値の急激な上昇を防ぐことができるので、食べ方にも注意が必要です。
うつ病で苦しむ人が増えているなか、一般的な投薬やカウンセリングなどの治療ではなかなか改善されないという人もいます。
そんな人は食事療法で改善を目指すことも考えてみると良いのではないでしょうか。